ちょっと目を離した隙にティッシュの山!なぜ、そんなことが起こるのか、赤ちゃんの心理から考えてみました。それを踏まえた、ティッシュのいたずら対策も紹介します。
ティッシュを出すのはイタズラではなく学習!
生後半年を過ぎて、8ヶ月、9ヶ月になってくると、それまでコロンと寝転がっていた赤ちゃんも行動範囲が広がってきます。お座りができて視野が広がり、ずり這いやハイハイで移動できるようになると、一瞬たりとも目が離せませんよね。
この時期の赤ちゃんの特徴に「探索行動」というのがあります。目に映るもの全てに興味を持ち、「これは何だろう?」と触ったり、口に入れたりして理解しようとするんです。今まで天井や自分の手足、メリーぐらいしか見えてなかったことを思えば、部屋の中のあれこれがすごく興味深く見えるというのも分からなくはないですよね。
触ってみて柔らかいな、冷たいなと感触を確かめたり、タグをなめてみたりと好奇心いっぱいです。床のちっちゃいゴミも見逃しません。
さらにこの時期には「ティッシュを引っ張ると次が出てくる」のように、自分がやったことの結果も理解できるようになってきています。赤ちゃんとしては色々と試してみて、これはこういうものなのかと実験しながら学んでいるという状況なんですね。
ティッシュを出してママを困らせようというつもりではなく、この白くて薄べったいものをつまんで引き寄せると、また同じものが同じ穴から出てくる!という発見に興奮しているのです。大人からすると困ったイタズラですが、赤ちゃんにとってみたらティッシュの法則(!?)を学んでいる最中なんです。
ティッシュで遊ぶ時期の赤ちゃんあるある
赤ちゃんがティッシュを引き出すのは、ティッシュの正体を知ろうとしているから。
そう分かってみると、他にも同じような行動をしていることに気が付きます。引き出しの中身を全部ぶちまけたり、本棚の本を全部だしたり。お尻拭きやおむつもティッシュと同じ要領でパッケージから出そうとします。
静かにしてるなと思って、ふと見たら大惨事なんてことはないでしょうか。
この時期はなぜかおもちゃよりも身の回りの生活用品に興味があって、リモコンのような触ってほしくないものほど触ろうとします。一旦取り上げられて他のものに興味が移っても、また別の時に見かけると、ひたすら遊んでいるということも多いです。興味を持ったものに対しては本当に研究熱心なんですよね。
そして、モノに対しては興味津々でどんどん関わっていこうとするのに、同時期に人間に対しては人見知りを始めます。これがなぜなのかということは、モノと違って人が思いもよらない反応をするということから説明がつきます。モノは叩いたり投げたりして心ゆくまで実験できますが、人を叩いたりしたらそうはいきません。
ティッシュをおもちゃにしたらダメ?
そんなにティッシュが好きならもう、ティッシュという名のおもちゃだと捉えて、好きにさせておこうという対策もとれますね。見た目は美しくないですがカゴにでも入れておけば、全部出されたティッシュでもティッシュとしての用は足せます。
ただ1点、出したティッシュをどんどん口に入れて、オエっとならないかどうかだけは気にしておく必要があります。赤ちゃんの探索行動は「確認行動」とセット。研究対象をお口に入れてどんなものか確認しようとするので(赤ちゃんは手よりも口を使った方が鋭敏にモノを感じ取れるそう)、ティッシュももれなく口に入れる可能性があります。
少量なら飲み込んでしまっても下から出てきますが、大量に食べてしまった場合は赤ちゃんの様子を見つつ、病院に行くことも考えなくてはなりません。(医療相談サービスでも同じ質問が結構あるようです→こちら)
「もうティッシュ出してていいから静かにしててくれ」と諦めた時も、時々は何をしているかチェックしましょう。
どうすればティッシュに興味がなくなるの?
ティッシュが何なのかを理解したくて、どんどん出してしまう赤ちゃん。どうすれば興味がなくなるんでしょうか。
まず赤ちゃんの興味は基本的に視界の範囲に限られているので、目の前から見えないようにすれば一時的にはティッシュへの興味は失せます。
でも、何でしょうね。ティッシュのあのヒラヒラしたところとか、箱からシュッと飛び出ている様子とか、もう赤ちゃんの好みど真ん中みたいなんですよね。もしまた視界に入れば興味を持つこと間違いなしです。
そういった意味でポケットティッシュの方が箱ティッシュよりターゲットにはなりにくいかもしれません。箱より出しにくいですしね。
ただ、もっと確実なのは1回全部出してもらうことです!
ティッシュが何なのかが知りたくてやってるわけですから、分かればもう満足のはずですよね。1回では足りないかもしれませんが、何回かやれば確実にティッシュに飽きる時はきます。
ティッシュを出しまくる赤ちゃん対策
イタズラを100%なくすことは難しいですが、できる対策はあります。
- 手の届かないところに置く
- 見えないところに置く
- 代替品で満足いただく
まず、ティッシュは赤ちゃんが行けないところにだけ置くという対策ができます。赤ちゃんは手が届かなくても取ろうとしますが、取れなくてひっくり返って泣くか、もうどうしても届かなければ別のターゲットを探すでしょう。ベビーサークルやベビーガードの外、高いところなどに置いておけば、イタズラはできません。
また、赤ちゃんの目に入らない高いところにおけば、そもそも見えないので興味も湧きません。過去には、赤ちゃんにティッシュを背負わせたというツイートが話題になっていたこともありました。蓋付きのティッシュボックスなども見えないので対策になりますね。
ティッシュと同じ動きをするおもちゃで、研究してもらうということもできます。
キッチンペーパーやガーゼなどを、手品の旗のようにつないでティッシュケースにしまっておくと、同じようにスルスル出てくるんです。こちらの動画はガーゼでやってみたところです。
”無限ティッシュ”で検索すると色々でてきますよ。
参考
幼児心理アドバイザー養成講座テキスト
ほいくらし https://hoiku.mynavi.jp/contents/hoikurashi/childminder/knowledge/9662/
家庭のストレスマネジメント https://www.ibmjapankenpo.jp/i-support/stress/