ちあき先生に兄弟育児のコツやポイントをお伺いするコラムです。
今回は上の子が下の子に暴力をふるってしまうというケースにお答えいただきました。
上の子が赤ちゃんを叩きます。一度だけでなく何度も暴力をふるうので困っています。慌てて少し乱暴に止めに入るとギャン泣きです。どういって聞かせればいいのでしょうか。

私も初めて上の子の暴力に接した時は本当にショックでした。「何すんの!」と本気でキレてしまって、すごく後悔したのを今でも覚えています。
上の子が下の子を叩く理由は……?



上の子が下の子を叩く原因は、やはり「赤ちゃんに対する嫉妬」が多いです。
赤ちゃんが生まれたら今までずっと自分のことを見てくれていたパパやママはもちろん、おじいちゃんやおばあちゃんまでもが急に赤ちゃんに夢中になりだした……そんな状況は子どもからしたら単純に寂しいわけです。初めは「まぁ、そんなもんか」と我慢できていても、保育園や小学校で嫌なことがあった時なんかにはやっぱり甘えたい。そんな時に、赤ちゃんにばかり目を向けているママを見て、嫉妬しまうんですよね。
赤ちゃん返りは小さな子どもだけではなく、小学生でもします。それなりに大きい子が小さな赤ちゃんにやきもちを焼くというのは意外にも思えますが、むしろ今まで長くママやパパを独占してきた子の方がショックは大きいかもしれません。
2歳頃の子が下の子を叩くのはこんな理由もあるかも
上の子が2歳ぐらいだと、下の子を叩く以外にも突き飛ばしたり、上に乗っかってしまったりといった行動も見られるかもしれません。
2歳ぐらいになると、なされるがままだった赤ちゃん時代からできることも増えて、嫌なことがあったら自分で状況を変えようとする姿が見られるようになります。下の子ばかり注目されるのが嫌だと感じた時も、今までのように自分の方を向いてもらえるよう、2歳なりに色々できることをやるのです。


でも、小さいうちは下の子を叩いたら下の子が痛いということも、まだよく分かっていません。そんななか「赤ちゃんがうらやましい」「ママをとられて悲しい」「自分の方を見てほしい」という思いを上手に言葉で表現できないので、言葉より先に手が出てしまうという可能性もあります。
上の子が下の子を叩いてしまったら、どう対応すべき?
叩いてしまったことに対してはまず、それはダメだということを伝えましょう。
上の2歳の子の例のように「叩いたらいけない」のが分かっていない年齢の子に対しては叩いたことを怒る必要はありません。ただ叩くのはダメなんだということを根気よく伝えていきます。
その上で、叩いてしまった上の子の思いに応えていきましょう。赤ちゃんよりもまずは上の子を優先。上の子が甘えてきたら思いっきり甘えさせてあげます。今までできていたことをやらなくなったら、また昔のように手をかけてあげる。「抱っこ〜」や「お膝!」も「もう、大きいんだから」とは言わずに、小さかった時のように抱っこやお膝をしてげる。
そうすることで少しずつ気持ちが安定してきますよ。



「お兄ちゃん」「お姉ちゃん」という役割ではなく、上の子を名前や愛称で呼んであげるのもいいですよ♪簡単なので、ぜひやってみてください!
- 上の子が下の子を叩くのは赤ちゃんに対する嫉妬
- 言葉でうまく言えなくて手が出ている可能性もある
- ダメなことはダメと伝えつつ、「上の子優先」を意識する



下の子はしばらく殴られるけど、たくましく生きてもらうしかないんですよね。うちも今はもう立派に(?)叩き返すことも言い返すこともできるようになって、しっかり兄弟げんかをしています。
次回のご相談は…
「相談No.4 おチビがお兄ちゃんと同じだけ食べたがります!」です。
お楽しみに♪
今回ご回答いただいた専門家
ちあき先生


フィンランド好き保育士。素敵に見えるあのママも、悩み事なんてまるで無さそうなあの人も、実はみんなみんな子育てで悩んでいます。そんな毎日子育てを奮闘しているママさんたちが、少しでも肩の力が抜けて、笑顔になって、一歩踏み出せますように…という想いを込めて、ママさんひとりひとりの気持ちに寄り添う、まるでラブレターのような記事をお届けします。記事の内容は、保育士19年の経験、日々受けているお悩み相談からの気付き、そして、子育てで絶賛お悩み中のママへのインタビューを参考にしています。
https://news.yahoo.co.jp/expert/creators/chiakisensei