夜も昼もまとまって寝てくれるようになって、やっと掴みかけた生活サイクル。赤ちゃんの時期を脱して、やっと人間らしい生活リズムになってきたところで、また寝てくれなくなると困りますね。
お昼寝しない問題を解消していくために必要な情報をまとめました。育児は何か特別な方法を使えば一発で解決するというものではないので、しんどい時もありますよね。お昼寝の必要性や昼寝しないデメリット、大人のストレス解消まで網羅したので、どこかひとつでも参考になればうれしいです。
2歳の睡眠時間はどのぐらい?お昼寝は何歳まで必要?
そもそも2歳の子にお昼寝って、どのぐらい必要なのでしょうか。
必要な昼寝の時間の目安としては次のとおり、2歳でも1歳に近いのか、3歳に近いのかで変わってきます。
年齢 | お昼寝時間 |
1〜2歳 | 1〜2時間 |
3歳以降 | 0〜1時間 |
3歳を過ぎると、お昼寝自体を嫌がる子も出てきますし、体力もついてきてお昼寝せずに夕方まで起きていられる子もでてきます。
昼寝をしない場合に気になるのが1日に必要な睡眠時間ですが、2歳の子の睡眠時間として推奨されているのは11〜14時間となっています。ずいぶん幅広いですね。
年齢 | 推奨睡眠時間 |
4ヶ月〜1歳 | 12〜16 時間 (お昼寝含む) |
1〜2歳 | 11〜14 時間 (お昼寝含む) |
3〜5歳 | 10〜13 時間 (お昼寝含む) |
6〜12歳 | 9〜12 時間 |
このガイドラインの説明によれば、さらにこれに±1時間は個人差をみてよいとのことで、この年齢なら何時間寝るべきと一概にはいえないことがわかります。夜にしっかり寝られていて日中眠くなさそうであれば、昼寝が必要ない子だという可能性があります。
そもそも、お昼寝はなぜ必要なのでしょう。お昼寝するメリットは主に2つあります。
・生活リズムを整えるため
・パフォーマンスを保つため
まずひとつ目が生活リズムを整えるため。朝起きて活動、お昼寝して午後の活動、夜から朝まではぐっすりという規則正しい生活サイクルをつくることで、夜の睡眠の質が下がるのを防ぎます。
子どもの成長にとって大事なのは夜の睡眠時間で、お昼寝の目的はその不足を補うこと。夜の睡眠時間とお昼寝は朝昼晩のごはんとおやつのような関係です。メインの睡眠時間が大事です。
また、子どもも大人と同じで、疲れてくると集中力が落ちたり、あと一歩のところで体が機敏に動かなかったりします。お昼寝しないと段々パフォーマンスが下がってきて、夕方頃になってくると遊んでいてもつまずいたり人とぶつかったり。怪我をしやすくなるだけでなく、やりたい遊びもうまくいかず機嫌が悪くなってきます。
午後もいいコンディションで過ごせるようにするには、お昼に適度に睡眠をとりたいですね。
いつ頃どのぐらい寝たらいいの?
お昼寝では適度に体を休めて、夜にしっかり寝られるのが理想的。長く寝過ぎて夜に寝られない時はお昼寝時間の見直しが必要です。また、3時以降に深く寝てしまうとリズムが崩れやすくなるので、お昼ご飯を食べた後、遊びに夢中になり始める前に寝るモードに入れるといいですね。
必要な睡眠時間は個人差が大きいものなので、あまりお昼寝を無理強いするとストレスになってしまいます。ただ、体力があって眠くないのか、寝た方がいいけど寝たくないのかの見極めは難しいもの。なので、ときには睡眠リズムが崩れても本人の希望通りに起きていて眠くなるかどうかを試してみることも必要かもしれません。
睡眠不足のチェックリスト
- お昼寝をしなくても翌朝は元気?
- 休みの日など特に急かされないと長時間寝てしまうことはない?
- 最近ずっと不機嫌だったり乱暴だったりしない?
- ご飯はちゃんと食べられてる?
なかなか昼寝をしてくれない……考えられる理由3つ
体力が余っている
昼寝しない原因として、いちばん考えやすいのはこれ。午前中の活動量が少なめでまだ元気というパターンです。朝いつもより遅くまで寝ていたという場合も「まだまだ眠たくないよ」と寝てくれないパターンに陥ります。
眠いけど寝ることに集中できない
次に考えられるのが、気が散って寝れないパターン。例えば、他の兄弟は起きて遊んでいるとか、寝室におもちゃが散らばっているとか。そんな環境だと、なんとなく眠くなっていても遊びたいスイッチが入ってしまいますよね。
繊細な子なら布団がいつもと違って落ち着かない、ママが横で見ているスマホや別の部屋で流れているテレビの音が気になるなどもあるかもしれません。
成長していてもう必要ない
午前中にたくさん体を動かしても、なかなか寝ない日が増えてきていて、それでも機嫌や体調が悪くなったりしていないなら、もう体力がついてきて、そこまで昼寝を必要としていないという可能性もあります。
お昼寝しやすくなるためにできること 5つ
気になる遊びは終わらせる
どうしてもやりたかった遊びがある、途中だったから続きをやりたいなど、やり残したことがあると、どうしても寝る気持ちにはなれないもの。
キリが良さそうなタイミングでお昼寝に誘えれば、流れとしては理想的です。
そのまま気が散らないように寝室へ。
午前中に体を動かす
お散歩や公園で外遊びなど、体をどんどん動かせば、自然とお昼には眠くなるはず。寒い時期は出かけるのも大変ですが、シャボン玉やボール、三輪車などで誘ってみては。
雨や雪の日でも、体を動かす室内遊びや体操、ダンスなどでたくさん動きましょう。
興奮し過ぎると逆に眠れなくなるので、初めての場所に出かけて初めての体験をするような刺激的な日は活動量を調節してあげられるといいかも。
交感神経優位にしない
大人もそうですが、人の体にはリラックスモード(副交感神経優位)と戦闘モード(交感神経優位)があり、戦闘モードになっていると眠れません。
寝る前のスマホはダメというのは、そういう理由ですよね。刺激があるとリラックスできないので、明るい部屋はカーテンを引いて、少し薄暗く。抱っこでゆらゆらしたり、静かに落ち着く絵本を読んだりしてまったりできる環境をつくっていくことが大事です。
眠いタイミングを狙う
すごく眠かったのに、あるタイミングを過ぎると逆に目が覚めてきた、という経験はありませんか?
徹夜をした時のハイテンションではないですが、眠くなるタイミングを逃すと、寝にくくなります。
お昼ご飯を食べてお腹いっぱいになったタイミングなど、ちょっと眠くなりそうなタイミングを狙って寝かしつけを始めるとスムーズに寝られるかもしれません。
早起きする・生活リズムをつくる
当たり前ですが、朝すごく早く起きれば早く眠くなります。なので、休みの日でも早く起こしてしまうというのも手です。
また保育園に通っているなら、保育園の生活サイクルに合わせるのもいいですね。ご飯などおおまかな1日のスケジュールを同じにして、「保育園ではどうやって寝てるの?」なんて聞きながら、いつものようにお昼寝してもらいます。
<パターン別>寝なくてイライラ!の解消方法
お昼寝しなくてイライラする時、その原因を深掘りしてみるとパターンがいくつかあります。
・お昼寝中にやろうと思ってたことができない
・夕方や翌日以降に影響が出るから
・反抗的で言うことを聞かないから
この他にもあるかもしれませんが、代表的な3つと思われる上記のパターン別に解消方法を考えてみました。
お昼寝中にやろうと思ってたことができない→やる時間を変えるか、やらないことにする
お昼寝時間は貴重な活動時間であり、休息時間ですよね。家事も中断されずにサクサク進みますし、ご飯もゆっくり食べられます。スマホで連絡したり、気になっていることを調べたり、色々やりたいことはあるでしょう。
日中のほんの1〜2時間とはいえ、子どもを気にせずに動ける時間がなくなるとかなりの痛手です。
このイライラを解消する方法は2つ。
夜や朝など別の時間でもできることは昼寝時間以外に動かすということです。昼寝しないと早めに眠くなるはずなので、夜にまとめてやるようにします。
でも夕飯の支度や洗濯物の取り込み畳みなど、日中だからこそ意味のある家事もありますよね。昼でないと意味がないことはやり方を変えるのが2つめの方法です。
例えば、例に挙げたような家事はもうやらないことにするか、頼めるならパートナーや家族に頼むか、外注することで何とか乗り切れます。私の場合は日中に一度ひとりになれる時間をつくらないと神経がやられて、夕方以降にはイライラMAXになるので、夫に子どもたちを見ていてもらい、部屋にこもるか外出してリフレッシュする時間をもらっています。
よき母であろうとする理想を低くする、人の手を借りるとも言えるかもしれませんね。
夕方や翌日以降に影響が出るから→寝ない≠失敗。そういう日だと割り切る
お昼寝しない時にイライラしてくる、もうひとつの原因がこの後に予想される更なるストレスです。
昼寝をしないと段々疲れて子どもも機嫌が悪くなりますし、相手をする大人の側も疲れてイライラしてきます。また夕飯前などの中途半端な時間に寝てしまうと生活リズムが崩れて、翌日以降にも影響が出てきます。想像するだけでイライラするという時はもう、受け入れるしかありません。
どんなに寝るように仕向けても寝ない日というのもあるので、諦めて作戦変更します。寝かそうとしても寝ないからイライラするので、今度は「そんなに寝たくないなら絶対に寝かせないぞ作戦」。
機嫌が悪くなる前に早めに夕飯、お風呂を済ませましょう。我が家ではおやつも軽めにして全てを1時間ずつぐらい繰り上げるといったこともよくやります。
また夕方に睡眠の限界が来ていそうに見える場合は布団などで熟睡させると起きられなくなってしまうので、明るいところで寝かせて早めに起こすと上手くいくことが多いです。
反抗的で言うことを聞かないから→一旦あきらめて先に自分に集中
昼寝はする(べき)ものと思っていると、寝ないことに意識が集中してしまいますよね。また、この時期はとにかく何でも全力でイヤイヤなので、朝からイヤイヤ対応をし続けていると疲れてきますよね。
「何でもいいから早く寝ろ!」と思ってしまう時は自分が限界を迎えている証拠。そんなに寝たくないなら、何かしら寝たくない理由があるんでしょう。無理に昼寝をさせようとせずに放っておいて、自分がやろうと思っていたやりたいことをやりましょう。
2歳ならもう多少は分別がついてきているので、ちょっとぐらい目を離しても大丈夫。何なら子どもの代わりに自分が昼寝してしまってもいいと思います。
寝かさないと養育者の責任放棄なんてこともありません。もしも本当に体が睡眠を必要としているなら眠くなって勝手に寝るはずです。
お昼寝しない場合の過ごし方
早めに寝て夜の睡眠時間をしっかり取る
お昼寝しない場合は夕方のタイムスケジュールを少し早めにして、就寝時間を早めにします。
トータルの睡眠時間をしっかり確保しつつ、早く寝てくれれば、大人の時間もつくれて一石二鳥です。
ごろごろまったりタイムをつくる
他の家族のスケジュールで早く寝るのが難しい場合や全く寝ないと夕方に持ちこたえられなくなる場合は、お昼寝ではないお昼寝もどきの時間を日中に確保するのも手です。
目はつぶらないけど横になって体を休め、時間をつくります。ごろりーんと転がって天井をみる遊びや絵本を読むなどして静かに過ごす遊びに誘ってみましょう。車があればドライブなどもいいかもしれませんね。
この日からお昼寝卒業です、この日から短くなりますという予告があれば便利ですが、人間は生き物ですから、そうもいきません。お昼寝が減っていくプロセスは不規則で、時間もかかります。
お昼寝がなくなるまでの数年間は大変ですが、気を取り直して乗り切っていきましょう。
参考
1「子どものお昼寝は何歳まで?保育園での対応と「夜寝ない」の解決策」キッズライン
2「保育園のお昼寝は必要?その理由や目的と寝かしつける方法3つを紹介」スポットライト
3「How Much Sleep Do You Need?」sleepfoundation
4「睡眠不足や睡眠障害、子どもへの大きな影響」e-ヘルスネット