男女関係なく、どんな子でも楽しめるお人形もありました。おもちゃの世界観も多様性を意識したものへと変わってきているようです。
性別に関わらず、いろんなファッションが自分でつくれる「Creatable World」
バービー人形で有名なMATTEL社が2019年に発売したジェンダーニュートラルなお人形。
すべての子どもたちが自由に自己表現できるようにとの配慮から顔立ちは中性的で、肌色、髪型、ファッションが幅広く揃えられています。組み合わせは100通り以上!
お人形って、人に近い形をしているので、どうしても色々と投影してしまいますよね。
これだけフリーにカスタマイズできれば、どんな子でも自分が没入できるキャラをつくれそうです。
ブランドサイト:https://corporate.mattel.com/brand-portfolio/creatable-world
おもちゃに性別いるのかな?と問いかけるキャンペーンを実施した会社
ちなみに、「Creatable World」を発売したMATTEL社は以前に#おもちゃに性別いるのかな のハッシュタグでSNSキャンペーンもしていました。同社のブランド「フィッシャープライス」とサンリオとのコラボ商品のPRで、タレントのりゅうちぇるさんを起用。おもちゃ×ジェンダーの話題に注目を集めました。
長所も短所もあるキャラ設定がリアルな「レゴ®フレンズ」
様々あるレゴのシリーズひとつ、「レゴ(R)フレンズ」。
レゴに男女差ってあったかな?と思いましたが、このシリーズは10年ほど前に女の子向けにつくられたシリーズで、当初はキャラクターも女の子だけでした。それがリニューアルでダイバーシティ&インクルージョンに配慮し、多様性あふれる男女8人のキャラクターに生まれ変わっています。
リアリティを追求するため、4年間かけて数千人の親子をリサーチしたしたということで、世界観の作り込みに圧倒されます。ジェンダーだけでなく、片腕のない子がいたり、バリアフリーの建物がつくれるパーツがあったりするのも特徴です。
ブランドサイト:https://www.lego.com/ja-jp/themes/friends/about
かわいいシルバニアファミリーにも変化が訪れていた!
人の形をしているものだけでなく、動物キャラクターのシルバニアファミリーも変化してきています。お母さんからエプロンをなくしたり、お父さんがピンクのお洋服を着ていたり、両親の肌色が違ったり。
実はちょうど結婚した時にいただいたウェディングドレスとタキシードのシルバニアファミリーが家にあり、子どもに聞かれて、どう説明するのがいいのか考えたことがありました。ちょっとしたことのようだけれど、最初の刷り込みの印象の強さも子どもの応用力の高さもすごいなと日々感じているので、シルバニアの進化の影響力も決して小さくないんだろうなと思います。
おもちゃを通じて、大人も問い直されているのかも。
正直な感想として、レゴ(R)フレンズの障害を持ったキャラクターの子はわざとらしいような気がしてしまいました。
でも、ふと思って調べてみたら、日本の人口に対して障害のある方の割合は約7.6%で増える傾向にあるそう。8人中1人というのも多すぎるというほどでもないかもしれないと思い直しました。それに車椅子用のスロープなど、現実にはあるのにおもちゃの世界ではないもののように扱われるというのは、考えてみればまさに排他的、エクスクルージョンです。おもちゃの変化は大人が学び直すきっかけにもなるんだなと感じました。
こういうおもちゃで育った子達が意識することなく、当たり前にインクルーシブな振る舞いをするようになったら、今よりも優しい世界になるのかもしれませんね。