ねんね期の赤ちゃんって、本当にかわいいですね。でも、ずーっと寝てるから後頭部がぺったんこになってきたかも……?
赤ちゃんの頭のかたちが気になっている方に向けて、ベビー用のドーナッツ枕に関する情報をまとめました!
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ドーナッツ枕は絶壁に効く?
3〜4ヶ月くらいの赤ちゃんはまだ寝返りもできないので、抱っこしない限りはずっと上向き。まだ頭もやわらかいので、重みでだんだん後頭部の丸みがつぶれてきます。このままだと絶壁になるのでは、と心配になりますよね。
ドーナッツ枕はそんな赤ちゃんの頭のかたちを整える効果があると言われているアイテムです。実際、効果はどうなのでしょうか?
結論から言うと、ドーナツ枕については医学的な有効性は確認されていないようです。
え?!
そればかりか、リスクすらあるとされています。
アメリカで国内の医薬品の安全性などを管理しているFDAという政府機関では2022年に「赤ちゃんには頭の形を整えるための枕を使わないように」という注意喚起を出しました。
(https://www.fda.gov/science-research/pediatrics/fda-pediatric-safety-communications)
正確には、ドーナツ枕がダメというよりもフワフワの枕を全般的にお勧めしないということのようです。理由は顔の近くにおいておくと口をふさいで窒息してしまう恐れがあるから。
赤ちゃんを寝かせる時はベッドのなかに枕などをおかないように、ということは日本の厚生労働省や消費者庁からもお知らせが出ています。
(https://www.mhlw.go.jp/content/11908000/000366407.pdf)
(https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/release/pdf/161024kouhyou_1.pdf)
・ドーナッツ枕はいつからでも使えるけど、寝かせるときに使わない方がいい
・ドーナッツ枕で頭のかたちが変わるかどうかは分からない
でも、エスメラルダとか、「医師が勧める枕」とか、普通にたくさん売ってるんですよね。
我が家も知らずに一人目の時に使ってました。女の子だったのでパパが色々気にして買ってくれたんです。そこまで多用はしませんでしたが、「ちょっと効いたのかな?」なんて言ってた時期もありました。
確かにぺたんこ頭がおさまった気がしたんですが、これにはどうやら枕ではなく、別のあることが影響していた可能性があるんです……
絶壁だけじゃない。赤ちゃんの頭のゆがみ
赤ちゃんの頭って、柔らかいですよね。まだ未完成ということもあるし、生まれてくる時に狭ーい道を通りやすいようにということでも形が変わりやすいようになっています。
なので、頭が押されるともろに影響を受けてしまうんですね。
絶壁は医学的には「短頭症」と分類されます。絶壁のほかにも、左右に歪んだり、長くなったりするパターンもあります。

斜めにゆがむ「斜頭症」は向き癖がある赤ちゃんに見られます。明るい方とか、おもちゃのある方とか、お母さんがいる方とか、気になる方向をずーっと見ているので、片側だけに力がかかって歪んできてしまうんです。
他には、生まれる時に引っ張られた子もいます。我が子もなかなか出てこなくて最後は吸引分娩だったため、しばらくはちょっと長い頭をしていました。その後、自然に治っていったのですが、しばらくすると絶壁になっていったので、赤ちゃんの頭の形が変わりやすい、というのは実感として理解できます。
赤ちゃんの頭は丸くなったけどドーナッツ枕の効果じゃないのかも?
もしもずっと寝ているせいで絶壁なのであれば、起き上がるようになれば自然に治っていくはずです。
うちの子の絶壁が治ったのも、今思えば枕のおかげというより、ちょうど寝ている時間が短くなるタイミングだったからかもしれません。わざわざ買ったので、枕が効いたと思いたいですけどね(笑)

下の子の時は、頭の形なんて構う余裕もなく、気付いたら大きくなっていました。写真を見返すと、やはり一度ぺったんこになっていましたが、何もしなくても今はきれいな形をしています。
思い返せば、生後3〜4ヶ月頃は色々と気になる時期だったかなと思います。
ひたすら泣きやませることに必死の時期をすぎて赤ちゃんのお世話に少し慣れてくるし、お出かけできるようになって他の赤ちゃんと比べちゃったりもする。赤ちゃんと過ごす時間も長いから、うちの子は大きいんじゃないか、小さいんじゃないか、顔がどう、頭がどう、皮膚がどう……って、細かいことがやたら心配になってきてしまう。
そういう意味では一時期はみんな絶壁になるものと思って、心配しすぎずに様子を見ていてもいいかもしれません。ただ一つだけ注意点があります。
寝ていて頭の形が変わる以外に、病気が原因で歪んでいることも
実は押されて変形する以外にも、病気で頭の形が歪むケースがあります。病名としては「頭蓋縫合早期癒合症」などで、発症する数は少ないですが、放っておいていいものではありません。手術などできちんと治療しないといけない病気です。
病気で歪んでいるのか、押されて歪んでいるのかを素人が見分けることは難しいため、もし心配な場合は早めに病院で相談しましょう。

放っておいて大丈夫?絶壁や頭のゆがみの影響
もし頭の形が歪んだまま大人になると、どうなるのでしょうか。
まず、見た目の問題はありますよね。
ヘアスタイルやヘアアレンジである程度カバーできますが、やっぱり隠しきれない時があります。私も絶壁ぎみで、写真に写りたくない角度や似合わない髪型があり、いやだなぁと思うことはあります。子供の頃は絵に描いたみたいなポニーテールにならないのが不満でした。
見た目のほかに、生活上の支障や健康上の問題が起きてくることもあります。たとえば、絶壁の人でいえば帽子がずれやすいといったようなことですね。
左右が非対称な場合は目や耳、顎の位置など顔のパーツまで段々ずれていくのでメガネがかけにくい、歯並びが悪くなるなどの影響も出てきます。歯並びが悪いと虫歯になりやすかったり、肩こり頭痛などになりやすかったり、あまりいいことはありません。
なので、歪みの状態によってはヘルメットをかぶせて治療することもあります。こんな感じ↓のものです。

矯正する場合は歯の矯正や出べその治療と同じで、早めが吉。一般的には、生後3〜6ヶ月までに始めた方がいいと言われています。
ドーナッツ枕を買う前に。今からできる頭のかたち対策
寝かせる向きを時々変える
赤ちゃんがいつも同じ方向を向いているなと思ったら、ベッドの向きや枕の位置を変えたり、オモチャの位置を変えたりして、片側ばかりを向かないようにしてみましょう。

いつも同じ側で添い寝をしているならポジション替えをしたり、反対側から話しかけてみたりすることもできます。
参考:[小児科医ママが解説] 頭のカタチ【Vol.3】「様子を見て」と言われた時、ひとまず家でできること。ドーナツ枕は効果なし?!
タミータイムをとりいれる
「タミータイム(tummy time)」というのは大人が見ている状況で、うつ伏せのトレーニングをすること。赤ちゃんがご機嫌な時にちょっと向きを変えてあげます。おむつ替えの時にコロッと向きを変えてみたり、赤ちゃんを腹ばいにして抱っこしてあげたり。頭のかたち対策だけでなく、赤ちゃんにとっては筋トレにもなり、寝返りやハイハイなどにつながっていきます。
参考:「タミー・タイム・ツール」
・絶壁対策に「うつ伏せ寝」はNG
乳幼児突然死症候群(SIDS)のリスクを下げるために、うつ伏せ寝は避けましょう。
うつ伏せにするのは「大人が見ている時に少しずつ」が鉄則です。
・頭のマッサージは「医療」ではないことがほとんど
お医者さんの治療ではないので、大事な赤ちゃんを預けられる人なのかどうかをチェックしましょう。
もし心配になるなら無料相談を上手に使って!
最後に個人の意見として、ドーナッツ枕をいつどう使うかについて書いておこうと思います。
医学的に効果が認められていないのに、なぜ「医師がすすめるドーナッツ枕」があるのかが気になって調べてみたところ、どうやら医師は枕をオススメしているだけで、枕に頭の歪みを治す効果があるとは言ってない、ということみたいです。
一方で、個人がインターネットで調べられる範囲ではありますが、ドーナッツ枕が効かなかったという証明もされていなさそうでした。
検診などで●●学的に「正しいこと」をたくさん言われますが、それを全て実行するのはムリというのが母親としての正直な感想です。効くかどうか分からなくても、危険を避けた上で親の気持ちが落ち着くなら、お守り的に信じてみるのもアリかなと思います。
ただ、頭の歪みに関して心配なのは、病気の可能性もあるということです。すでに気になる歪みがある場合は効果があるか分からないものでどうにかしようとする前に、病気でないかどうかだけは確認しておけると安心ですね。
病院に行くのはちょっとハードルが高いという方は、こちらに無料相談の記事もまとめたので、よかったら参考にしてみてください!
